とるころーるの備忘録日記

なんかもうごちゃまぜ

Wイシダ朗読劇 USHIROMUKI 5.11 夜公演

 

【注意】

・ネタバレです。

・あらすじを説明する部分では敬称略です。 

石田彰さんファンなので著しく偏った感想です。石田明さん、宮澤竹美さんファンの方、すみません。

・腐っているので視点がダメです。普通に見るのと並行して擬似的になぞらえて楽しんでいるだけなので、作品を汚す意図はありません。そういった表現がだめな方はご注意ください。

・円盤発売も決まっているので、円盤でぜひ素敵な演技をご覧になってください。円盤を買う予定のある方はあまりネタバレをご覧にならないほうがいいと個人的には思いますが、自己責任でお願いします。

 

ざっくりあらすじ

舞台の両端に立つ二人。どうやら婚活パーティーの宣言を片方(石田彰)が行っているようだが、声の裏返りがひどい。何を言うかは無線でもう片方(石田明)が指示を出しているようだ。

 

なぜそんなことになったのかというと、新原誠(にいばら まこと、石田明)は実は婚活パーティーの主催をする会社の社長で、彼はスパイに付け狙われているのだという。そこで、同じ名前の新原実(にいばら まこと、石田彰)に社長に成り済ましてもらい、スパイがしっぽを出したら掴む、という計画を考えたのである。

 

最初は「自分が社長なんて無理だ」と拒否していた実だが、今後ひらかれる数々の婚活パーティーへの無料参加と引き換えに承諾した。

 

2泊3日の瀬戸内海の豪華客船ツアーでの婚活パーティー。第一日目は、冒頭の宣言のあと、テンションの高い司会(カラテカ入江、後ろに映像で映し出される形)が進行。誠が考えた企画で、プロレスラー(レイザーラモンHG、映像)演じる極悪犯が、女性参加者を一名人質にし、男性参加者二人がそれを救出する、という筋書き。

 

男性は誠と実が選ばれた。ここで、人質の女性、田中恭子(宮澤竹美)に実は一目惚れ。スパイがいるかもしれないから勝手な行動を慎めという誠に、実は、自力で恋の道を切り開きたいと言い、誠は折れることに。

 

二日目。

次の企画は、紙を渡され、裏に同じ記号が書いてある人同士で謎解きをしよう!というもの。恭子に話しかけようと気張る実に、まさかの恭子からのアプローチ。同じ記号だった二人はともに謎解きをすることに。

 

自販機で飲み物を買いに行ってくるから待っててと言い残し、恭子は自販機へ向かう。小銭がなく困った様子の恭子を助けたのは誠。その後、上手く二人が鉢合わせしないようにしながら、恭子は、実と誠、二人と同時にデートをする。

 

彼女の狙いはいったい何だったのだろうか?

不器用だが信じる力を持ち、ひたむきな実、自分主義で猜疑的だが人を動かす力のある誠。全く違うように思える二人は、実は同一人物の別人格。

「ニイバラ マコト」は、海難事故で溺れ、意識不明の重体になっていた。実は恭子はマコトの彼女。今までの出来事は、すべて彼の意識の中の話だったのだ。

 

病室で彼の目覚めを待つ恭子。それを見つめるふたつの一人。彼はようやく目覚めたのだった。

 

ストーリーの感想(腐なし)

「自分」にはいろいろな人格があって、目を背けたくなるような自分ももちろんいる。

実と誠、いがみ合っているように見えた二人は、それぞれの人格が、互いに見たくない部分を見ていないだけだった。それを真正面から見つめられた結果として、彼は目覚めることができた、というところ。メッセージ自体はシンプル。

 

仕掛けは終盤に怒涛の超展開だったのでびっくりした。恭子と実が同じハンカチを持っていたり、なぜか実も誠も二日目のステージの会場に見覚えがあったりと、伏線はあったけど気づかなかった……というか伏線だろうなとは思ってもどういううことなのか予想がつかなかったですね。

 

メッセージはシンプルだったけど、理想とする自分と現実の自分が違うことって往々にしてあるので、割と個人的には思うところがありました。

自分をあんなふうに全ユニできるくらいぴったり受け入れられたら楽でしょうねぇ……………

 

今回の話は、個人の内面における分裂の話なのでまた違う話ですが、現代において、コミュニティごとに人格…とまで大仰な言葉でなくとも、キャラを変えるという、外面における人格の別というのは割と評論文でも散々入試のとき読んだなあということをふと思い出しました。社会学や心理学専攻じゃないので詳しいことはよくわからないですが…そういうのに明るいと、更に楽しめそう。

 

最初、現代の内向きな凡人が実、一昔前の叩き上げのハングリー精神豊かな出世頭が誠、みたいな感じで、時代の違いで攻めてくるのかと思ったので全然違って驚いた。

ああいう、自己中心的な、ついてこれないやつはこなくていいみたいな考え方の人間、今っぽくはないなと思ったので。

そして、実のような「草食系」(ともまた違うんだけど……一応向き合おうとするし……でもまあ、内向き、という大枠では草食系とは言えるかな)とは違うし。まさか同一人物とは。

 

ただまあ、二人とも、「孤独」を抱えていた点では同じなのかもしれない。恭子に優しそうと言われた実、寂しそうと言われた誠。どちらも人との距離を上手くつかめていない。

実は本当は距離を縮めたいのに上手く振る舞えずに挙動不審になり、距離を取りすぎてしまう。彼は優しすぎて、考えすぎてしまうのかな。もし嫌われたらどうしよう、とか思っていそう。必死すぎて空回りする。

誠は本当は距離を縮めたいし、彼についてきてくれる人もいるはずなのに、それを払い除けてしまう。すぐ怒鳴る。人を疑う。人を信じられない。

 

人を信じたい点では同じだが、それでも人を信じようとするのが実、人を信じられないからあなたがエビデンスを示して信じさせてくれと言うのが誠なんですね。

 

そしてその違いを互いに受け入れたと。良かったね(語彙力)。

 

ただ、まあ、ここどういうことだったんだ、どういう意味だったんだ…という疑問?がなくもないけど、でも総じてわかりやすい話だったのでよかった。ただ、個人的にはちょこちょこっとギャグが入るくらいなら、思い切ってもう少しギャグが多いほうが好きです。これは好みの問題ですが。

 

あと一つ言うと、後ろのゆらゆらしてた布は何なんですかね?船の帆?それにしちゃちょっと一反木綿に似てましたけど……と心の中でつっこんじゃったけど…………笑

 

萌えポイントと感想(腐)

ああーやっとここ入れるわ!!やった!!

まずね、最初のアナウンスが彰さん。声高め!かわいい!はいかわいい! すでにかわいい!

 

冒頭、婚活パーティー開始の宣言をする彰さんの声の裏返り方がまじですごい。どうやってるんだろう。すごかった。これは萌えというのではなくてあれですね。技。  

 

そのあと、彰さんと明さんが二人向かい合い、微笑み合い、お辞儀をして(…たっけ?)、歩み寄る姿、完全にエモだった。ああーーー一つの作品の幕開けを今二人はしようとしているのだ……ハァ………って思った。

 

そ!し!て!とにかく今回は表情の移り変わりがすごかったですよね。

誠に成り済ますよう迫られて、拒否をしたり、おどおどしたりする顔。どういうことがわからずに戸惑い、手をこう…頭のところにこう…(後で私のクソ絵を載せますね)。恭子に話しかけられて驚く顔。猫が可愛いと言ってデレデレする顔。誠に本気で怒る顔。カッコつける顔。やっべーーーーむり。キャパオーバー。解散。

 

誠から電話がかかってきて、「もしもし」っていうやつ、何度かあるんですけど、「もしもし」の前に「m」があるんですよ。はーーーーーーーたまんなーーーーーーーーーー!!!!その色気は何事なんだろうか。mって。mに漂う色気。サンキューm read by Akira Ishida.

石田さんのな行とか、鼻にかかる音スーパー好きなんですけど、石田さんの「もしもし」スーパー好きだったわ。セールスの電話でかけて、あのm聞きたい。無理だけど。ちなみに石田さんの「ん」も最高らしいです。明日以降も行かれる方はそこ聞いてみてください。

 

誠に説明されてもことの次第を理解できずに、手を頭にやってたのがまーーじでかわいかった。
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いや伝わらないのはわかってます…テヘペロ的なあれですよ……。この赤矢印の指してるこの腕がね?スーパー可愛かったです。「あなたが僕で、僕があなた?」と手を胸に当てたり相手を指したりする動作をしてて、それもね、よかったね。あんまりそういう動作がでかいの、藤沢朗読劇で見ない気がする。

 

あとあのー、数々の婚活パーティーと引き換えに成り済ましを承諾するシーン、「プラモデル婚活も!」と謎の主張をしたの可愛かったね。プラモデル好きなんだね。私は寺の婚活が気になったよ!寺社めぐりしながらおしゃべりするのいいじゃん!

 

ほんで、いざ成りすますぞとなったとき、手汗!脇汗!めっちゃシャツで拭くじゃん……しかも顔汗はなんかまじでかいてなかった?スポットライトやっぱまぶしいよね、今日暑かったしね……誰目線でこのブログ書いてんだ私は………

手汗を拭く動作で、胸あたりからくびれを通って腰骨に到達した手の動きがなんか妙に官能的だなって思ったんだけど同士いません?だめ?やっぱ私が暑さで頭がいかれたか?

 

あとカラテカ入江さんのめっっっっっっっちゃカンペ読みが気になる。と思ったけど実際の婚活パーティー司会者も割と読みながらなのでは?と思ったらすとんと落ちたので全然オッケー。だってアド婚とか絶対言わないじゃん。カンペ見たくなるじゃん。アドベンチャー婚活はカンペ見たくなります!はい私の中で満場一致(?)

 

1stステージのレイザーラモンHG面白すぎたよ。彼の"芸"を私達は知ってて、「パンッ」って音が響いて(なんでパンッなの?殴るから?ムチにしか聞こえなかった)、彰さんの「あ゛ァ゛ッ」って声聞いたら、ねぇ…もうそういうことじゃん。ゲイだけに(は?)

(HG全然腰振ってなかったです念のため。でも振っても面白かったけど。普通にめちゃくちゃいい身体でウケた)

なお、それを差し引いても石田さんの叫びは、私の中で綾ちゃんと一致しました。「可愛げないっ」トラック9をご参照ください。結構最後の方とシンクロしました。フェードアウトする直前。

 

で、猫バナシでデレッデレになったあの顔!!!!!!!!!!!!!!ね!!!!あの顔ですよ!!!!!!!あんなデレデレの石田さんの顔見ることなくない???可愛くない???

そして、あんっだけ怒鳴り合ってたのに猫バナシで気まずそうにしつつもなんだかんだめっちゃ盛り上がるじゃん、もう結婚しちゃえよ〜〜〜って思いながら見てた。猫が布団に入って喜ぶいかつい見た目の攻めって絶対どっかに転がってそう。だめですか?だめですね。

 

最後にお酒頼むときに「カルーアミルク!」。はいいい笑顔〜〜はい素敵な笑顔〜〜〜〜!!!チョイスも最高!!!!!一女か?!!?!三十路だよな?!!?!石田さんの声だったら全部かわいいからオールオッケーだよ、カルーアミルク美味しいよね。私も好きだよ。アフターでの一杯はビールだったけど。

 

で、ですよ。二日目。恭子さんが話しかけてキョドる。わかりやすくキョドる。このあたりから、「童貞中学生確定だなあ」と思いながら見つめる私。

「社長だなんて、そんなふうに見なくていいですよ(ちょっと片足を前に出す)」「(勝っても負けてもどっちでもいいです、)それが我が社のモットーですから」

をやたらイケボで言うんだよ。

えっここまであんなに可愛かったのに、カッコつけるという事実の可愛さ+声のかっこよさで攻めてくるの?!!!?!!?!籠城してる城にさらに水攻めされたのかなってくらいの大打撃だよ!!!勝てません!!!!負けました!!!!ありがとう!!!!!

 

そ!し!て!問題のシーン!!!「誠さん」と呼ばれる実。「ハァンッ」。ヒエーーーーーーーーーン。声にならない。完全に受け確定。2回くらいあったよね。うーんいいですね。

 

そのあと、「どうせあいつのことだ『ハァンッ』とでも言ってるんだろ」という誠のセリフがありましたがすっごく上手くてわろた。そのとおりです。ていうか明さんぜんっぜん違和感なかったし、違和感ないどころか声よかったです。御本人もそう思っていただけたらって仰ってたけど、いい声でした…ろ…

 

誠が恭子に対して割と紳士的で、「すぐ怒鳴るやつは器の小さいやつです」って言ってたの笑ったけど、常日頃からモラハラ夫の話題をネットで見かけることが多いせいか、

「ヤベェこの趣旨替えの早さは絶対本質的なことを理解してない、確実に上辺だけでテキトーに言ってるしコレは明らかに結婚後モラハラしそうだ…いやしかし…一番大事な俺の女には怒らないみたいなそういうやつか…いやそれだとなんかヤンキーっぽいしな…イヤでも確か見た目いかついんだったしありか…」などの考えが脳内を駆け巡る。なんでもいんですけどね。

 

で、二人が恭子に対して互いのことを語りかけるシーン。実は誠のことを、自分は挙動不審になっちゃって馬鹿にされがちだけど、あいつは俺と向き合うことを諦めない、と言い、誠は実のことを、ひたむきだ、自分はああはなれないと言う。尊敬をしているという感情を滲ませながら。 

はーーーーーっこれはもう結婚だろう。結婚ですよこれは。いがみ合ってたけど?実はお互いの存在が刺激になり?新たな世界を見れて?おん?もうそれは結婚だよ。君たち。と思いながらも、二人とも、そのように素直に話せてしまう恭子さんに惹かれるのでした。知ってた。

 

あと、なんだっけなーどっかで二人ともが何かを猫に例えるシーンがあったんだよね。恭子さんとの距離かな?ベターっとするほどじゃないけどいつも一緒にいる…とかだったかな?二人とも同じ比喩の仕方するんだねーーーーーそっかーーーーふーーーーーーーーーん

 

そしてラストの!宮澤さんの涙がきれいでなーーーーー宣材写真より全然美人だし、そもそも顔がマジ小さい。石田さんたちも顔割と小さいほうだと思うんだけど、マジ比較にならないくらい小さい。お声も涼やかな声で素敵でした。

 

ラストの彰さんと明さんの全ユニ最高だった。練習したんだろうな。ほぼ完璧だったよね。ラストの彰さんの声、完全なるイケボだった。イケボっていうか……なに?大人の声というか……。良かったです……落ち着きのある声で。また彰さんがねぇ、宮澤さんを見つめる眼差しの優しいこと優しいこと。大人だよ。だけどなんか、アダルティな感じではなくってこう、透き通ったうつくしい大人だった。現実世界にいないみたいにきれいだった。

 

そして二人が中央に向かって歩く。ニコニコしてる。はぁあーーーー満足げなお顔で……はい………

 

最後、アフタートークないのが寂しかったけど、彰さんのお辞儀がぴしっと90度、ありがとうございますと何度も口にして、本当に本当に………同じ時代に出会えてよかった…………と思った……………

 

ラストの明さんのアナウンスもくすりと笑えるアナウンスで気持ち良く会場を出られました。

 

ていうか、まっしろーーーいお衣装(少し彰さんのは下の方に薄い青の縁取りがあったけど)でも、明さんの方はスーツ着てギラギラした感じ、絶対時計はロレックスで常に胸を張ってるって感じだったし、彰さんの方はクタクタのパーカー、痛バッグ、少し猫背で目線は下向き、という感じが伝わってきました。というか私の中ではそうだった。キャラ付けって大事なのな……演技力………って感じです。

 

あと個人的に音楽が朗読劇を邪魔しないけれど、雰囲気に合ってるって感じの素敵な音楽だったのが良かった。音響は、彰さんのほうがたまにボフってなってて残念だったけど、それは今後直るだろうなー。

演出は、藤沢朗読劇みたいにド派手な感じじゃないけど、それでも吉本らしさがあってシンプルに演技をたくさん楽しめて集中できたし、これはこれでとっても良かったなーと思いました!光もうまいこと当たって切り替えになっていたし。

 

(それと個人的には石田さんの水飲みタイムを見れたのが嬉しかった。信長の犬では見れなかったので…。ストローでちゅーってしてた)

 

素敵な朗読劇をありがとうございました!また次回もこの二人のみたいなあ。