とるころーるの備忘録日記

なんかもうごちゃまぜ

1.13 シェーヴルノート ライビュ 感想

 

台本買うべきだった!!!!見てから買おうとか思ってた私の大バカヤロウ!!!!!!

というわけで以下は台本なし、千秋楽ライビュのみで感想を書いてるので、私なりの考察、分析が間違っている可能性は大いにあるのでよろしくお願いします。

売り切れてたよ台本、、、買いたかったよ、、、、、ううううっ、、、、、、どうか、、、、再販してくだせえ、、、、、、私が悪かった、、、、

 

以下、ゴリゴリのネタバレです

 

 

 

◯脚本 感想

 

1. なぜ記憶を失う決意をしたのか

a. ジルドレ

罪滅ぼしのため→「地獄ってどこだ」の章にて後述します。

 

b. アランソン

死ぬときは一緒だと約束した。だから記憶を失うときも一緒だ。

...いやーーーーーーマジで.......................友愛...............という感じ。梶さんの演技がめちゃくちゃ好青年で最高だったからこそ映えるこの言葉。普通の人が言ったら「いやそんっなぁ〜w友達のために記憶売る?」ってなると思うんだけど、演技の説得力がすごい。

 

c.ラ・イル

(罪滅ぼしのためではないと否定した上で、)あの3人を見るのが大好きだったから。

ラ・イルかわいそうだとは思うけど、感情移入ができるかっつーとできなかった。でも最後ちゃんと「悪魔」ではなく、一人の人間として終われてよかったなって思いました→後述します。

 

2. 似た者同士という言葉

a. ジャンヌとジルドレ

ジャンヌ:本当はただの詐欺師なのに、聖女だと偽り、兵士を騙して戦争に向かわせる

ジルドレ:本当はただ兵士服がカッコよくてそれに憧れていたただの少年だったのに、気がついたら兵士を統率し、血に染める真似をさせている

 

似た者同士ねっていうんだよなあ、沢城さんが。本当にここよかったよね

 

b. ジャンヌとラ・イル

ジャンヌ:生き延びるため、人を騙してなんでもしながら「野良猫のように」生きていた。

ライル:戦争孤児ながら生き延びるため、「人として扱ってもらえず」、生きていた。

 

似てるわね、とここも言われてましたね。

しかもジャンヌは、野良猫のようだと言われ、奇跡の乙女と嘘をつかされながらも、結局最終的にはジルドレ、アランソンに想われ、大切にされた。つまり、ジルドレやアランソンには、 最終的に「野良猫」としてでもなく、「聖女」としてでもなく、「人」として、接された。

実際、ジルドレからも、「野良猫じゃない。猫は水が苦手だからドブを漁って餌を探さない」なんて言われてましたが、あれは本心だったんじゃないかな。

 

ラ・イルも同じ。人として扱われなかった。「ラ・イル(癇癪持ち)」などという名前をつけられ(最初これ聞いたとき、リッシュモンのネーミングセンスどうなってんねん、と誰もが思ったと思うんですけど、リッシュモンは最初からラ・イルを大切にしてなかったっていう布石だったわけですね?)、そして最後にはジルドレに「人として」接してもらえるようになった。

 

ラ・イルもな〜お金のためだと言って裏切り、ゴリゴリに窮地に追い込ませるのはなあ〜〜と私は思ってしまったけど、、、

 

3. 地獄ってどこだ

ラボラスが、本当の地獄っていうのは自分を許せず憎み続けることだっていうことを言っていたんですよね。これは、ジルドレのことをおそらく言ってるのではないだろうか。

罪滅ぼしのためにジャンヌを甦らせるのだ、という言葉通り、ジルドレは、彼自身の地獄の中で、ジャンヌを救おうと思っていたのではないか。

 

「ジャンヌとジルドレは似ている」という章でも述べましたが、ジャンヌに、自分と同じ気持ちを味わわせてしまったという、境遇が似ているからこその罪滅ぼしの気持ちがあったのでは?

ただ単にジャンヌを死なせてしまったというだけではなく...兵を動かし、殺すという同じ思いを味わわせてしまった、という...。

 

ジャンヌが、「嘘をつき続けたら明日には本当になるって信じていいのかな」ということを言ったとき、ジルドレが「それでいいんじゃないか、何が悪い」的なことを言ってたと思うんですけど(うろ覚え)、その言葉に救われたんじゃないか、むしろあの「何が悪い」というのは自分にも向けていた言葉だったのではないか。

 

4. 嘘だとか、本当だとか

ジャンヌのセリフで、「嘘に命を乗せないと騙せない」みたいな感じの言葉があったと思うのですが、ジャンヌは文字通り命をかけて「嘘」をついていた。その甲斐あって、兵士達はジャンヌを信じ、大勝利を重ね、躍進していった。

 

あのジャンヌの天才的な騙し方が実現した理由というのはジャンヌが自分自身をも騙していたからなのかなと思った。ジャンヌは自身の人生のことを「嘘だらけの人生だったけど」と語ってたけど...自分を騙してばかりならそりゃまあ人生も嘘だらけだと言いたくもなりそうだ。

 

ところで、この一連の流れを見ていて思ったのは、嘘だとか、本当だとかいうのは結局どうでもよくて、最後には「信じる」という行為にテーマが昇華されていた...のではないか?と感じた。ある事象が嘘でも本当でもよくて、いずれにせよ「信じる」ということの難しさ、というか...

 

要するに、ですね。

嘘を信じさせる、ということが「騙した」ということ。でも、ジャンヌの「聖女」という嘘を信じさせたことで兵士達は勝利を挙げた。目的のためについた嘘で成功したとき、嘘についての罪悪感を負う必要はあるのだろうか?というか、それはもう本当になっているんじゃないだろうか?ジャンヌは、勝利をもたらしたのだから。

 

アランソンも「ジャンヌは本物です」と言っていたのは、前線で走り回り、兵士達を勇気付けるジャンヌは本物なのだ、と。嘘から始まって本物になることだってある、そのくらい嘘か本当かなんて曖昧で...と言いますか...

 

うーんこの辺はさすがにまだ直後だし、煮詰めきれてませんね。私の意見が曖昧です。笑

 

もし台本を買えたらまたそのうち。

 

5. 悪魔ってだれだ

ラボラスは「悪魔」と言われるとやたら否定する。この作品では「悪魔だな」というセリフがやたら出てきましたね。つまり、本当の「悪魔」はラボラスじゃない。

 

悪魔だな、という言葉は、シャルルがリッシュモンに、ラボラスがラ・イルに、言っていた。

 

ここも対比がなされていて、金のためだとか、復讐に執念を燃やしていただとか、そのために人間は、平気で人を裏切る。

一方ラボラスは一度も裏切ってはいない。ただ対価をもらっているだけだし、なんなら最終的にラ・イルの記憶をしばらく奪わないであげたりと、むしろいいやつだ。ラ・イルにも「いい人ですね」とか言われてるし。人じゃないぞ?w

 

(まああえていうなら、「俺たち悪魔」って言ってライルの裏切りをほのめかす(そういう場面ありませんでしたっけ...)くらいなら教えてやってよ!って思ったけど、そもそも信頼関係がないので裏切ったも何もありませんね...)

 

リッシュモンとラ・イルは、最後リッシュモンがずっと悪魔のままだったのに対して、ライルは「人」に戻れた。記憶も売ったし。

 

ぜんっぜん関係ないけど、ラ・イルがリッシュモンを斬ったあと、「殺すだけが取り柄だから痛くしません」って2回目斬ってたよね。わたしあれ見て「1回目の時点でもう痛かったと思うよ...」ってツッコミ入れちゃったネ。

 

ラ・イルはリッシュモンに感謝もしてたんだよなあ。なんで裏切っちゃったんだライルーーーー!!!って思ってたけどその辺もあるんだろうかねえ...

 

6. 記憶の儚さとか印象的なセリフとか

a. ツッコミどころ

記憶を売りまくってたけど、「なんで記憶を売ってるか」とかは忘れないんだね...???と思ったのは私だけかね......

リッシュモンも5年間の記憶売って綺麗さっぱり忘れたら、スッキリして復讐しようなんて思わなくない?記憶もなしに復讐したいって思うもんなの?と心のわたしがずっと突っ込んでました。野暮でごめん。

 

b. 人が人であるために

記憶を失ったジルドレを見て、「こんな目をした男は...ジルドレじゃない!」みたいなことをアランソンが言ってたと思うんですけど(うろ覚え〜!)、「記憶」こそ、その人がその人であるために必要なものなのかなあと思ったり。

 

自分を切り売りしてもジャンヌを助けたい、というのは、自分を切り売りしてジャンヌ(≒過去の自分)を助けたい、という意味もあったのかな(先述した通りです)。

 

しっかしねぇ。

悪魔に売るもんっつったら、誰もが「魂」を売るもんだと思ったと思うんですけど...っていうか私はそう思ったんですけど、まさかの「記憶」で、「ニクいね〜!」という声がCV.杏で炸裂した。ニクい。ここでまさかの記憶。しかも忘れがたき記憶とは......

 

c. 忘れがたき記憶

しかも「忘れがたき」記憶。記憶を失ったことで、逆説的に「忘れがたかったのだ」と知るという。なんだこの綺麗な「逆説的に」の使い方は。 

アランソンを忘れたことでわかった、おまえはかけがえのない人だったのだな、と言ったジルドレのセリフで私大号泣。

 

本当になあ〜〜〜〜〜〜少年の頃からの親友みたいなのチョー弱いからさ!!!!!もう!!!!!

 

ラ・イルの忘れがたき記憶が、あの幸せな頃、というのもよかった。

リッシュモンの忘れがたき記憶が全然ないのも皮肉が効いててよかったです。

 

d. 印象的なセリフ

「暗闇に慣れたものは明るいところや希望のあるところでつまずく」という感じのラボラスの言葉は誰に向けての言葉なのだろう、ということをずっと考えてたんだが、わからない。誰に向けてですか?

 

暗闇に慣れたってもなあ、ジルドレはたしかに記憶を売りまくってるけど、明るいところや希望のあるところでつまずいたわけではないし...

リッシュモンには最後まで明るさとかなかったし...

 

それから、魔法について俺たちの作ってるのは嘘だ、みたいなことをリッシュモンがジルドレに言って、ジルドレが「嘘は命を乗せないと嘘のままだ」ってジャンヌの言葉を引用してたと思うんだけど、あの辺はどういうことだったんですかね?魔法が嘘?

なんかめっちゃジルドレが決め台詞言ってたのに、意味がわからなくてぽかんとしてしまった。それでもなぜか涙は出てくる中村さんの演技力な...

 

このへんだけようわからんかったっす。どなたかわかった方いらしたら教えてください〜

 

 

7. この物語の未来

 

この物語は「記憶」を主軸にしてるんで、当たり前っちゃ当たり前なんですけど、未来への希望がゼロ。マジでゼロ。記憶って過去のもんだからね。

あの極悪王さまは普通に生きてるし、ジャンヌは蘇ったけど、もうだれもジャンヌのことも互いのことも覚えてないし、夕方が過ぎたらほんとどうなるのかというか、絶望しかないよね。

 

ラスト、音楽がメジャーコードで結構幸せ風味で終わってて、それはそれで綺麗ですごく感動したんだけど、個人的にはマイナーとかセブンスコードとかをしれっと入れたりだとか、絶望感たっっっっぷりに終わってもめちゃくちゃ納得したと思う。

 

だからこの物語、「嘘」の幸せで終わるのだが、その幸せが嘘だとしても3人はその時間を本当だと信じているから、その一瞬は「本当」なのだ、みたいな、全編通して語られていた「嘘」、これへの救済としての「嘘の幸せ」で終わったのかなと。

 

8. 各キャラクターについての感想

今までのところで漏れたところだけ。

 

a. シャルル

25歳で「〇〇だも〜ん」とか言って許されるのは声帯がツダケンさんになったからだからなシャルル!!!(都内・23歳・女性)

 

まあ冗談はさておき、何にも考えてないように見えて、がっつり楽しんでる傍観者、彼もなかなかの「悪魔」だったねぇ。そして権威にも興味があり、権威さえ手に入れたらジャンヌのことなどどうでもいい、と。

 

普通ああいう極悪非道なこと見てたら多少迷いがあったりしそうなもんだけど、「ひゃーっ」っつって楽しんでたので、こいつもなかなかやぞ...と思いつつ見ていた。

 

b. リッシュモン大元帥

THE・極悪非道。ずーーーーっと感情の起伏のない人だなあと思ってたんだが、まさかのブチ切れにびっくりしてしまった。二人称貴様とか言い出すし。静かに丁寧語でブチギレるのも、諏訪部さんの声ならめっちゃ納得できそうだったけど、そうでなくて言葉遣いとかも一気に変わるキレっぷり。

 

これ、感情を抑えてたのが、ガッと出てきた感じだろうか。まさに「癇癪持ち(ラ・イル)」が解放された、という感じでそこも狙ったのかな?と思ったり。じゃないとあそこまで突然ブチギレる説明がつかない。

 

それと、自身の人生を戯曲扱いしていて、これはちょっと悲しくなった。戯曲みたいに生きてきたんだ、と思って。嘘だらけ、かけがえのない思い出もなく、この人はそうやって生きてきたんだな、という片鱗を見た気がした。

 

◯演技の感想

a. ジルドレ役・中村悠一さん

過去回想と、ラボラスとの場面がちょこちょこ変わるので、よくあんな切り替えできるなあと思った。

過去回想場面では、気難しい感じ、誇り高き剣士なのが、ラボラスとの場面では悪魔であるラボラスに縋るように「魂か」と聞いたり、気弱な一面、後悔をありありと感じさせる。あの声の切り替えは本当にすごい。

 

あと中村さん、最初のラボラスとの邂逅場面のセリフ、ほぼ目を閉じていたので、覚えてるんだなあと。しかも、結構身振り手振りがっつりしてた。すげえ。

ラボラスとの血の契約の場面は最高でしたねぇ...噛まずに言えるのがすごいという初歩的な感想と、あの大迫力。とにかく圧倒されてしまった。

 

そして、ジャンヌの記憶を最後の最後に売るときの、沢城さんとの掛け合いでもううううう力技で泣かされた。なんだあれ。泣くしかない。すごかった。本当に苦しくて、ジルドレの辛さが伝わるようで。

 

ところで、ライビュのおかげで中村さんの台本ががっつり見えたのだが、自分の役名のところを丸で囲っていて、そうだよな〜わからなくなるよなあと思いました。

ちなみに沢城さんはピッと名前の横に線を引いてた。ツダケンさんはめちゃ赤が引いてあるのが見えた。照明とかで暗い中間違えずに読むの大変そうなのに、皆さんほとんど噛んでなくてすごいです......

 

b. ジャンヌ役・沢城みゆきさん

詐欺師・ジャンヌとしての声高らかな演技と、普段のジャンヌとしての低めの「野良猫」の演技の切り替え...

低めの方は沢城さんの色っぽい感じが端々にあったと感じたのですが、詐欺師の方は本当にな...聖女...と感じさせる透き通った声でした。どう使い分けるねん。特に演説のところとかすごかったね〜

 

「野良猫」の沢城さんほんとかわいかった!!!ちょう!!かわいかった!!!

それから、鎧をガチャガチャさせるところだとか、いろんなところで表情がくるくる変わり、身振りもしていて、女優だ...と思いました。

 

それから、「こわいよ?」とラ・イルに言う時にはにっこりと笑っていた沢城さんが、一人になったシーンでは顔を歪めて「こわいよ...」と呟く、あの表情が忘れられない。最後の方の「お別れみたい」ってところとか目を潤ませていらしたし。

 

しかし、それにしても藤沢朗読劇は観劇2回目ですが、役者の皆さんの切り替えの演技がいっぱい見れて楽しいですねぇ

 

c. ラボラス役・大塚明夫さん

大塚さんのただでさえ低い声にオクターバー(同時にオクターブ下の音を重ねるエフェクト)かけるのずっるwwwwずっっっっるwwwwww

大塚さんの声にオクターバーかけてかっこよくないわけないだろ!!!!なぜなら元がかっこいいからだ!!!!!!

 

そして、「雇った」とジルドレに言われたときのブチギレラボラスさん、最高。大塚さんの演技本当によかった。

大塚さん、セリフの言うテンポ、息継ぎ、被せ方、全てが良かった〜台詞回しが天才的だった...本当にどこをとってもめちゃくちゃ最高だった。

チャーミングに見せかけてキレたりもする、ひょうきんに見せかけて淡々と記憶を奪う、二面性のあるあの感じが、本当に大塚さんだから出せたんだなと思いました。

 

大塚さん、基本的にずっと下を向いていらしたのだが、なんでひたすら台本見るだけであんなに演技できるんだ...

 

あと、私は大塚さんの悪役っぽい声を張り上げる笑いの演技が大好きです。あの笑い方、本当に好きだ。

 

d. ラ・イル役・梅原裕一郎さん

梅原さんも切り替えしてたね!ブチギレラ・イルと、紳士的な言葉遣い/「我が君」と言って忠実なライル、、、

ラ・イルが金のためだ、と苦しそうに言うところ、裏切りを後悔したところ、がすごくよかった。どんな思いだったのだろう。

 

あとは、「楽しくて、こわい」というところのあの演技の入りこみかた。ラ・イルには私は感情移入が(ストーリー的に)できなかったんですが、梅原さんの演技で遥かに説得力が出てたと思う。口から紳士。人生を手放しで楽しめないラ・イル。あの3人と一緒にいた時だけが幸せだったラ・イル。楽しいと、幸せだと、こわくなる、ああなんて不幸体質。

 

梅原さん、表情があーんまり変わらなくて(印象です)、それがかえって良かったと思った。裏切ったって知った時のびっくりが増幅されました。

 

e. アランソン役・梶裕貴さん

めっっっっちゃ好青年。さすが梶さん。

ところで梶さんのお衣装の袖には十字が書いてありましたがあれは何か意味があります?よね?きっとね?なぜ梶さんにだけあったんですか??

 

梶さんの演技、非常〜〜に可愛くて良かったです。ジルドレのことを本当に大切に思っていたのだなということが伝わってきたし、野良猫みたいだとジルドレに言わしめたジャンヌをあんなに優しそうに教育してて、マジで叔父さんとどこをどう血を分けたらそうなるんですか...???ここも対比、なのか.....??

 

梶さんのセリフで印象的だったのは、契約を結ぶところですね。中村さんや諏訪部さん、他の人たちは契約を結ぶ時、めちゃ声を張り上げて堂々と契約を結んでいたのだが、梶さんだけは声のトーンがめちゃくちゃ低かった。

 

ジルドレは無二の親友だ、ジルドレとともに記憶をなくすんだっていう覚悟があそこにすごく伝わってきた。全てを振り切って大声で契約を結ぶのではなく、低い声で覚悟を持って契約を結ぶ、あの演技は痺れたね〜

 

f. リッシュモン大元帥役・諏訪部順一さん

 

「貴様を殺す」(だっけ?)あそこの声の切り替わりが!!!!!!マジで背筋冷えた!!!!!!なんといってもあそこですよ!!!!!

 

諏訪部さんの低音は本当になんていうか最高ですよね。あの切り替えは本当にこわかった。

さっきも書いたけど、諏訪部さん演じるリッシュモンはずっと感情を抑えてた。強いていうなら、衛兵に声をかける時のピシッとした声と、シャルルに話しかける時の優しい声が違うくらい?

にしても、シャルルに話しかける時の優しい声、バブみを感じてしまった...甘やかされたい声ですね...表情もほんとずーっと優しーーーい笑みなのな...まさにアルカイックスマイル。それから立ち方もよかったね。いかにも元帥という感じの威厳はあるが、偉そう過ぎない立ち方。

 

ブチギレたあとの諏訪部さんの演技は、もう〜マジで今までの人格どこいった?!ってくらいぶっ放されてて大変良かったです。最高。策士で実は冷酷、みたいなのな。

 

ていうか、アランソンをジルドレ討伐に行かせるのマジで鬼畜すぎてあまりの鬼畜さに心の中でちょっと笑っちまったですよ。

 

g. シャルル7世役・津田健次郎さん

 

あのーーーーめっっっっっちゃ古美門研介を感じたのは私だけですか????ww他にもいたら教えてください。超古美門研介。古美門研介大好きなので全然いい。

 

しかし本当に、ツダケンさんの台詞回しがとにかく最高だった。わざとセリフのラストを小さい声でちょぼちょぼっと言ってみたり、他の人の言葉にガンガン被せにくる感じ、間の取り方、完全に最高。

シャルルの空気の読めなさ、バカっぽさを見事に表していた。津田さんのそういう役初めて見たので面白かったです。

 

そんな空気読めないシャルルがキレる場面、何度かあったと思うんだけど、特にリッシュモンにキレてたときのシャルルがよかったですね!!!低音でな!!!!

 

あと1幕のラスト、十字架をバックにぐるりと回ったツダケンさんのポーズの決め方と、顔を見て、「(声がいいのは当然として)顔がいい...」と心のなかで呟いてしまった。

 

◯音楽の感想

 

第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ2本、トロンボーン、ホルン、ピッコロ/フルート、クラリネットオーボエファゴット/バリトンサックス、ギター、ドラム

という構成でしたね。それぞれ一本ずつ。

 

それにしても、信長の犬の時も思ったけど、マジでセリフにぴったりなのすごすぎるーーーー

 

a. 構成について

全員がソリスト!!!!!!マジかよ!!!!!!と思いました。音間違えたら一発でバレるやんけ...という素人丸出しの感想を抱きました。プロは音を間違えないのだ。

 

あと、コントラバスがなくて驚いた。大きいしな...でもコンバスがない分、ファゴットの刻みとか、電子ドラム(?)の刻みとか聞けてよかった。ファゴットの音大好き〜〜ファゴットの奏者の方が超荒ぶってて超楽しそうで私も楽しかったです!

 

ところで、あの電子ドラムみたいなのはなんですか?

私は機械全然わかんないんだけど、あそこからトライアングルの音もグロッケンの音も出てたね。マリンバの音も出てたかな?

さらに、バスドラムとは別に、ティンパニ(よりは軽めの音だったけど)の音でそこから刻んでて、おおおーーー!と思った。

村中俊幸さんがめちゃ忙しくいろんなところ叩いててすげえなあと思いました。

 

フルートの方が歌も歌っててびびった。ハイスペックすぎんか...めちゃくちゃ上手かったし...

 

b. 曲について

 

戴冠式金管楽器ーーーー!!愛してるゼーーー!!!!やっぱりファンファーレは金管楽器じゃないとね!!!!トランペットいないのが残念だったけど、トランペットはな...声を邪魔しそうだもんね...

 

木管楽器の繊細な感じも好き。3人の幸せターンでピチカートで弦楽器が刻んで、木管楽器がリードとってるところの音楽好きでした〜あと切なげな旋律を奏でるときのオーボエ、大好き。バリサクを聞き分けられなかったのが残念。

 

あと不穏な場面でリードをとるギター、ここぞというところで盛り上げるギターも、ほかの楽器と上手く溶け合ってて、ほよーーと感動した。

 

信長の犬のときより(構成から言って当たり前なのだが)、クラシカルな音楽が多くて、これまた劇に合ってた。

 

c. 弾き振り

これは弾きながら指揮をすることなんですけど、弾き振りがなーーーーースゲーーーーという...あんな秒単位で合わないといけない、決まった時間でなく、毎回速さの変わる役者のセリフに合わせないといけない、それであの横長の舞台ですよ。絶対指揮見づらいでしょ..

ドラムの村中俊幸さんとか本当よく合わせられるな...プロ、ヤベェ...と思ってました。

 

あとちらっとライビュなので見えたんだけど、村中俊之さんの前の楽譜がスコアじゃなくてパート譜に見えたんだけど流石にないよな...?見間違いだよな...?

 

◯演出の感想

 

炎とか照明の演出については信長の犬で散々書いたのでここは軽めに。

 

あの!!!!今回特殊効果めっちゃ細かくなかったっすか!!!!!!!!

馬の鳴き声、鳥のさえずり、ドアの開け閉め、剣を抜く音...信長の犬のときよりめっっっっちゃくちゃ多かったと思う。数え切れないほど。

 

それから、鐘の音が記憶違いでなければ2回鳴ってたんだけどアレいつ鳴ってたっけ?どんな意味で鳴ってたっけ?それを忘れたのが残念。

 

あと信長の犬と違ったのは、やっぱ契約結ぶときの印ですよね。光の演出が多くて、面白かった。風吹かせたり。

 

そして忘れちゃいけないのが、十字架ですよね...(あの下の奈落(っていうので合ってる?)、地獄を覗くのに使ったりと結構大活躍してたね)

1幕ラストのジルドレが十字架を背にしてぐるりと回ったのが完全に、「ああこの人はもう運命を背負ったのだな...」と思った。残りのキャストの皆さんとは別に、彼だけが一回背負ったのはそういうことなのだろうな。

 

炎も、過去回想のための照明も、よかったっす.....

 

今の時点で言えるのは以上です!

後日このブログ内で追記して、衣装の写真の載ったみなさんのツイートとかを引用して後から見返しやすくしようと思います。

それと思いついたことがあったら後からバンバン追加する。

 

追記 皆さまの最高のツイートたち

 

いやー楽しい時間をありがとうございました!どうか台本とかパンフとか再販してくださあああいよろしくお願いしまああああああす!!!!!!また楽しみにしております!!!!