とるころーるの備忘録日記

なんかもうごちゃまぜ

進撃・最終回を読んで十日後の感情の記録 ~やや成仏・「逆前田敦子」編~

 

まずはこれを読んでほしい。

 

最新話更新前の苦しさも、読んだ直後の衝撃も、味わうのはこれで最後だ。


けれど、最終回を読んでの読解は終わらない。(中略) 受ける衝撃は一過性でも、読み直すたびに生じる新たな発見と感動はたぶん永続的だ。この作品が何度読み返しても思わずため息をつくような伝説だと、そういう伝説として完結したと信じたい。(中略) 

たしかに完結は大きいことだ。疑いようもなく大きいことだけれども、きっと完結でさえ1つの通過点でしかなく、この作品をどう読んでいくか、そのゴールを決めるのは私たちだと思う。というかそう思わないと完結の衝撃を受け止められないと思う。


まだ、ずっとずっと楽しもう。進撃の巨人は終わらない。ただ、とてつもなく大きな一区切りを迎えるだけだ。

 

 これは進撃の巨人最終話更新4時間前に書いた私の文章である(進撃・最終回を読む直前の感情の記録 - とるころーるの備忘録日記)。

今読み返してみて本当に思うことは次の通り。

 

いや、あ、あ、、あわれ~~~~~~~!!!!!!!!!!!哀れ。本当に哀れ。人によっては伝説として完結したと言えるのかもしれませんし私はほかの人がそう思うことをまったく否定しませんが、私のなかでは伝説として終わりませんでした。お疲れさま!!!!!!!衝撃は確かに受け止められませんでしたいろいろな意味で!!!!!!!!

 

読後すぐの私のツイッターの第一声、「そうですか~~~~~………」ですよ。なんだこの温度。低すぎて凍るわ。

一方私のタイムラインはキラキラタイムラインだった。諌山先生ありがとう!感動した!すばらしい結末だった!こんな大作を綺麗にまとめられてすごい!

 

え~~~~~~~~んどこが?????(泣きながら)私もそう思いながら寝たいのだがどのへんが?????

さすがに私もいったんは「いつもは言いたい放題だけど今回ばかりは……」としり込みするも、口から絞り出して出てきたプラスの見方が「リヴァイさんが生きててよかった!」だけだったので諦めて「すきにリムーブしてください私は言いたいこと言います」と宣言してそれから十日ほどず~~~~~~っと批判していた。

やだよ私だってこんな批判するの。キメツが終盤に向かって愚痴アカウントが増えていったのを対岸の火事とばかりに眺めていたころに戻りたいよ、まさか自分がそうなるとは。

 

いや、ていうか、は?愚痴じゃないから(情緒不安定)。愚痴とかそんなねえ、気に入らねえとかそういうレベルの話をしてるんじゃないんだよ虐殺とか差別とかの話をしているんだよ!!!!!!!!

 

批判については散々(本当に散々)ツイッターで話したので割愛する。伏せった―でまとめた二点のリンクだけ貼っておく。

 

①マイノリティ属性をなくしたエンドについて

@turkey_sngkさんの伏せ字ツイート | fusetter(ふせったー)

 

②エレンとは何だったのか

@turkey_sngkさんの伏せ字ツイート | fusetter(ふせったー)

 

 

自分が好きな作品が納得のいかないラストを迎えたとき、ここまで後味が悪いとは思わなかった。そういう傷つけられ方は望んでいない。どれだけそこまですばらしかったとしてもラストがだめならすべてだめだ。

 

私は自由を渇望する少年が仲間のためと言いつつ自分のために社会規範(どころじゃない)を破っていく話を読んでいたが、最終的に彼らの仲間が全員虐殺を必要悪と認識し、誰一人、自分勝手に突き進んだ主人公による「虐殺の恩恵」への居心地の悪さを吐かなかった。

自分勝手な主人公はそれはそれでいい、でもそうか、生き残った君たちにとって虐殺ってただ(英雄にしてくれるという)利益で感謝の対象ってだけなんですね。利益だと思ったんなら踏みつけられたひとへの罪の意識も一緒に背負いなさいよ。利益を受け取る=踏みつける側に(最終的に)立っておきながら(被害者への罪の意識も述べず)共犯関係にならずに、虐殺はエレンが勝手にやったことだから僕らは悪くない、とばかりにエレンありがとうって虫が良すぎて寒気がする。

 

こう、ついつい批判が口から出てきてしまうのだが、もうとにかく酷かったです。酷いラストでした。私は作者を盲信していないし、作品を好きなだけで作者がどうこうというのは特にないのではっきり言う、酷いラストだった(そういえばライヴ配信で、編集担当の人が作者は100の誉め言葉より1の批判に傷つくみたいなナイーヴなこと言っててびっくりした。こういうテーマ出したら褒められるばかりじゃないの当たり前だし、そもそも商業漫画なのに批判しないでくださ~いとでも言いたげなその口ぶりは何なんだ? 人格否定とか誹謗中傷やめてくださいでいいでしょ)。

 

最初の四日はマジで考えることが多すぎて、燃え盛る炎のごとく「何だったんだこの話」と思い続け、どういう物語だったかの落としどころを見つけて以降はマシュマロを閉じて鎮火、しかしやはり残るツッコミどころの多さに思わずぼや騒ぎが起こるもようやく!ここにきて!(たぶん)完全に消火できたと思う!

 

成仏のきっかけはやはり地道な吐きだしですよ。吐き出したのは大きかった。言語化って大事ね。そしてそれに共感してもらったのも大きかった。その節はありがとうございました。

 

そして何より、物語に納得しないってところですよね。「最終話前まではよかったけど、最終話がだめだった」とかじゃなくて(当初そう思ってました)、これだけの大風呂敷を広げて畳まなかったんだから、もう全体としてはだめだろ。と私は思います。

もうそれでいいよ。もちろん細かいところで好きなところはあるけど、進撃の巨人全体としては何だったの……という虚脱感でいっぱいなので、それでも私は進撃の巨人が好きですとはもう言えないな、今はね。だって根幹の部分が畳まれなかったので

(ここまでパラディーマーレでフラットな視点を保ち、ハンジというエレンに相対するキャラまで出しておきながら、彼女の精神を継いでエレンを批判する視点がラストで喪われているってのは、フラットさは消えているし、話を畳まなかったと言っていいと私は思っています)(それ以外にも描写足りな…というところもたくさんあるし)。

 

ここまではよかった……と何とかいいところ探しをするのは私はもうやめる。何とか褒めようとするムーヴは自分が苦しいから降りる。終わりがだめなら全体としてはだめだ。この物語を愛していたときの自分をどうにか否定しないために、あそこは好きだった、あそこまではよかったとぽつぽつ言うことはあっても、それでも全体としてはだめだったことに変わりない。私にとっては、ですよ。

 

 

ところで推しカプがいるけど物語のラストに納得がいかなすぎて成仏ができない皆さんにお教えしたい概念があります。それが「逆前田敦子です。

 

私がすきなカップリングはエレリなんですけど、エレリは原作には(相対的に)ほぼ描かれない(個人の感想です)。BLカプにハマるならいかにもエルリだろうという感じが原作からはする。が!それはそれとしていきなりエレリにトチ狂ったので私はエレリがすきだ。全然問題ない。たのしい~!

この、エレリが好きというのが本当に僥倖ポイントこのうえなかった。というのも、そもそも原作にそんなに描かれていないものを突然好きになっているので(でも私のなかでは完全に「エレリ」なのだ)、原作がどうなろうがまったく関係なくエレリを好きでいられるのである。ちなみに最終回エレミカに関しては唐突すぎて戸惑って終了したのでエレリ解釈にはぜんぜん影響を与えていません。強メンタル。そもそも別にエレミカも特別好きとかはないけど嫌いなわけでは全然ないので私のなかでは共生できる。ハッピーウーマン。

むしろリヴァイが生き残ってくれてよかったな~って思う。エレンはまあどのみち死ぬなり道に縛り付けられるなり、現世でハッピーライフは送れないだろうな~とは思っていたので、エレンが死んだことは覚悟済みでショックとかはなくて、リヴァイが生き残ってくれてよかった。まじで。どっちも死んだら互いのことを語れないので……個人的にはエレリとして百点満点エンドだった(重ねて言うが個人の感想です)。

 

で、前置きが長くなったが、そういう話を先日友達とべらべら吐きだしていたら「逆前田敦子じゃん」という話になった。「私のことは嫌いでもAKBのことは嫌いにならないでください!」という伝説の台詞である。ってかこの発言2011年だって!嘘、あれもう10年前?!!?!そっちのほうがショックだわ。

進撃の巨人は嫌いでも推しカプ(エレリ)のことは嫌いにならない」精神が大事。別にいいんだよAKBが嫌いでも前田敦子が好きでいたってさ。そうすることで今後とも末永く楽しい距離で進撃の巨人にかかわっていられる。

 

私は自分なりに解釈したり考察したり、この物語のストーリーを結構…結構、愛していた。だからつらかったんだ!ストーリーを愛しているのにあのラストでつらくないはずがなかろう。もうこれからはキャラクターだけを愛せばいい。エレンのことはきっと誰かが思い出して話してくれるのだろうし、リヴァイはきっと近所の子供に一見気難しいけど実は面倒見のいい口数の少ないおじさんとして慕われるんだろうなとかもうそんな感じでいいです。

 

だってさ、もうしょうがないよ、編集部からは急かされていたようだしこんなに壮大なストーリーのラストを詰め将棋みたいに描いたってことは描ききれなかった部分もありそうな感じがするし、単行本も待ってはいるけれどそれでも本誌で(本誌を買うくらいには熱心なファンに向けては)あのラストだった事実は変わらないわけだし。全部しょうがなかったんだよ、お疲れさまでした!

 

私だって進撃の巨人を好きでいたいけど仕方がない。は~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~それでもちょっとだけ、ちょびっとだけ単行本に期待していいですか?????????キメツも本誌ラストは酷すぎて怒りが沸いたけど、単行本の加筆で相当受け容れられやすいラストに描かれていたので。どう?

今の私は結構成仏できているんですけど、まだ完全な悟りではなくて6月9日に虚無からの完全成仏か、現世・進撃の巨人ラヴライフに逆戻りかどっちかが決まるんだと思います。哀れだね。徹頭徹尾哀れだけど、私はこれからは逆前田敦子概念を胸に生きていきたい。ぽつぽつまたボヤ騒ぎを起こしていたら悟り切れていなかったのだなと察してください。