とるころーるの備忘録日記

なんかもうごちゃまぜ

劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ 感想

最近毎朝『まんぷく』のハセヒロさんを拝んでは「あーーーー!!!たちばなさん!!!よい!!!!」と叫んでは「うるさい!」といわれる。とるころーるです。

先日、劇場版夏目友人帳を見てきました。

そのときの舞台挨拶レポはこっち→

夏目友人帳 うつせみに結ぶ 舞台挨拶 9-30 昼 - とるころーるの備忘録日記

 

※追記

和彦さんのブログに石田さんが!!全身素敵。ありがとうございます。

劇場版 夏目友人帳 〜うつせみに結ぶ〜 | 井上和彦オフィシャルブログ「風まかせ」by Ameba

 

 

そんなわけで感想です。以下がっつりネタバレするので未見の方はお気を付けください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ざっくりあらすじ ※自分のメモ用に書いただけ

ひょんなことからヨリエと知り合った夏目。彼女は息子のムクオと二人で暮らしていた切り絵作家だった。彼女の家から帰る途中、大きなあやかしを見かけ、不審に思いつつ帰宅する。

一方、ニャンコ先生は自身の体に種のようなものが草むらやら木のうろやらを走るうちについていた。これを藤原家の庭に落とすと、普通の人間には見えない(あやかしや夏目にしか見えない)大きな木が生えた。木には実がなり、これを食べたニャンコ先生はなんと3つに分裂してしまい、話せなくなってしまう。

その真相は、ムクオが、実はホノカゲという名のあやかしであり、彼につけられた祟りが移った種からできた実をニャンコ先生が食べてしまったから、というものだった。ホノカゲは山の神に仕えていたものの、祟り(作中では障りといっていました)を受けていた。

その祟りの内容は、ある場所にいき、その地の人と言葉を交わすと、その地に以前からいたかのように姿かたちが変わり、その地の人もまた、ホノカゲを以前からいたという記憶を持ち、普通に交流するが、ホノカゲがその地を離れると、ホノカゲがその地にいた間交流していた人々の記憶から、ホノカゲという存在はすっぽり消えてしまうという哀しいものだった。ヨリエの息子、ムクオは実は8年前に亡くなっていたのだが、彼はその地で「ムクオ」になってしまい、ヨリエと暮らしていたのだった。

そんな「ムクオ」を狙う、夏目が以前見かけた大きなあやかしは式神で、その主が亡くなってしまったため、式神と主の契約解除をした名取さんも出てきて…というお話。

 

感想

私の観賞中のあり得ない思考

夏目がヨリエさんの家から帰宅するたび、「あやかしの匂いがする」とニャンコ先生に言われていて、これで私は、ヨリエさんかムクオのどっちかがあやかしだな?とは思ったんですよ。

 

でもね、「これ、ヨリエさんがあやかしだったら、タキさんを家に『この子はうちの親戚の子で』とか言って入れて、しかも田沼や夏目の記憶も消させてるってこと?実は悪いあやかしなの?こんなにニコニコしてるのに?島本さんなのに?島本須美さんなのに?

 

って思ってました。あんな優しそうなヨリエさんがタキさんの記憶をなくさせたり、嘘ついたりする超悪いあやかしだったら、とんだサイコパスだな~と思ってたんですけど、やはり夏目。期待を裏切らない(私の推理がおかしすぎて私は勝手に期待を裏切られているけど)。優しい世界でしたね。

 

優しい世界といえば、個人的には、もう細かいセリフまでは忘れてしまったんですが、最初の方で笹田さんがスピーチコンテスト(弁論大会だったかな?)で、言っていた言葉になぜか胸が締め付けられてしまった。彼女が以前出会ったあやかしについてのお話で、見えない彼女がその話をしているという事実に。

「見える者」(夏目)の孤独や隔絶はよく描かれているけれど、「見えない者」からの視点って珍しい気がするし(田沼はあやかしの存在を完璧に知っているのでここでは除く)。

あと、単純に笹田さんって弁論大会超似あうなあとか思っていた。

 

ラストの話

ラストに結局ムクオ(というかホノカゲ)がヨリエさんと離れる決心をするというのがまた…結局ホノカゲはヨリエさんをある意味だましているわけで、その道は選ばなかったのですね。けれど、ホノカゲが消えて、彼の記憶もなくなったヨリエさんはなぜだか無性にムクオを思い出してしまい、涙が出る…と。

 

片方にしか記憶が残らない残酷さ。それでも夏目たちは彼を覚えているという救い。

 

これ、結局夏目や田沼は、タキに記憶されていないという場面で「忘れられる恐ろしさ」を体験しているんですよね。

何なら夏目は(夢の中で)藤原夫妻にすら「あなた、だれ?」と言われてしまうわけです。自分が大切に思う相手にすら忘れられてしまう。その残酷さ。

だからこそより一層、ホノカゲの苦しみがよくわかる。ユウキくんがなぜか藤原家にいた、あの描写はそのためにあったのかな~と思いました。

 

ホノカゲの、ヨリエさんを想う姿は、実際のところ血はつながっていないから親子ではないし、なんなら人間同士ですらないけれど、あたたかかった。どこか夏目の家族観を思い起こさせました。

彼もまた、血はつながっていないけれど藤原家で心を通わせているわけで。あやかしであることを言えないホノカゲ、見えることを言えない夏目。

 

重なる部分が多いからこそ、夏目がホノカゲの救済になる。のかな?なんて思ったり。

 

ホノカゲとヨリエさんにせよ、夏目と藤原夫妻・友人たちにせよ、「つながり」が描かれているんだなあと思って、夏目のあたたかさはそこにあるのかなあ、なんて思いました。ひととひととの繋がりに夏目の良さがある気がして。

 

ゲスト声優の皆さん

高良健吾さん、バイキングのお二人がゲスト声優でした。

個人的には、いいなあって思いました。そりゃあまあ、本職の声優の皆さんとは発声方法が明らかに違ったりしてたけど、でも違う発声方法でも、味があるというか、なんか高良さんとかすごくジブリ男子っぽくない?と思ったり。いい声だなと思いました。

バイキングの二人も妖怪にぴったりで。もんもんぼうの長い説明セリフは若干イントネーション気になるぞ的なところもなくはなかったけど、でもびっくりしたときの「?!」みたいな声とか、「わあ、それっぽい!」って思って、総じて好きだった。よかった~

 

名取さんの話

名取さん、登場シーンのSEで笑わせに来るのやめてほしいwwあれ流れるだけで笑っちゃうからwwwスピンオフで名取さん主演の、名取さんが演じてる映画、見たいよ!!!!

 

今回名取さんは最後の方で式神の契約解除をすべく参戦していたけど、名取さんはなんていうか、大人というか、「食えないひと」ですよね~~~!!好き!!!!

 

単に劇場版の名取さんどうこうというより、名取さんの話がしたいだけなんですけど、大人としての名取さんが何を考えているか、というのはそんなに明かされていないことが多い気がするんですよ。とか偉そうなこといって原作未読なんですけど。すみません。いろいろ落ち着いたらちゃんと読むから許してください。原作にはもうあるのかな。

 

彼の高校生時代の話はあったけど、大人としての彼は、名取家としての境遇は示されても、彼が何を考え、どう生きて、どう行動して、というのは(少なくともアニメ6期まででは!)描写が少ない。それって、主人公が夏目だからかなって。夏目友人帳って夏目自身のナレーションしかなくてナレーションは独立してない。つまり、すべてが夏目の目線なんですよね。

高校生にとっての大人って、やっぱりまだちょっと距離がある。何を考えているのかわからない。子どもと大人の対比がなされている気が…する。

 

原作では既に彼の人となりは明かされているんでしょうか。ぐちゃぐちゃ言ってないで読め!ということですね。知ってる方いたらぜひ私に販売促進してください笑 とりあえず現段階ではこういう印象だよってだけ。ご了承ください。

 

 

トリプルニャンコ

かわいすぎない?!?!

いや、かわいすぎる(断言)

 

たしかにね?ニャンコ先生はもともとかわいいよ。もともとかわいい。酔っぱらったニャンコ先生の可愛さ異常だよ。酒飲んで酔っ払うって、やってることはオヤジなのに(年齢的にも実際オヤジっていうかジイサンだと思うけど。あやかしだし)、マジでかわいい。

 

でもね、トリプルニャンコのかわいさはずるいよね?和彦さん、あれを音響調節なしで地声でやってる事実もヤバい。相当ヤバい。

しかもアドリブだって舞台挨拶でおっしゃってたわけで、えっっていうことはあのトリプルニャンコの可愛さ大爆発は、和彦さんによってこの世に生み出された奇跡なの?

てことは和彦さんがかわいいのか?和彦さんがかわいいのか!納得!(論理の飛躍)

 

はい。よかったわあ。

 

タイトルの話

タイトル「うつせみに結ぶ」ですが、「空蝉」ってよく聞くけどどんな意味だっけかな~と思い、調べてみたらこんな意味でした。

 

《「うつしおみ」が「うつそみ」を経て音変化したもの》

  1. この世に現に生きている人。転じて、この世。うつしみ。

    1. 「いにしへもしかにあれこそ―も妻を争ふらしき」〈・一三〉

  1. 《「空蝉」「虚蝉」などの字を当てたところから》蝉の抜け殻。また、蝉。 夏》「―を妹が手にせり欲しと思ふ/誓子

    1. 「―の身をかへてける木 (こ) のもとになほ人がらのなつかしきかな」〈・空蝉〉

  1.  
  2. 空蝉(うつせみ)の意味 - goo国語辞書

  3. より

なるほどね~~~~~~~

  1. 「この世」にむすぶ、かあ。ホノカゲのことですね。ホノカゲが8年間、ムクオとしてこの世に結んだ姿。いいタイトルや・・・・
切り絵の話

鬼のように切り絵がよかった。特に、ラストでホノカゲの姿を見た(気がした)ヨリエさんが彼の姿をかたどった切り絵ったら…あそこで思わず涙目になりました。救われた気持ちになった。

だって「見えない」ホノカゲが、切り絵によって「見える」形になって残るんだもの。

 

ヨリエさんは、自身が少女のころ、レイコさんに会ったそうで、彼女には「見えないものが見えていた」ように見えた、そして切り絵も、台紙に置くと「見えないものが見える」気がして、と語るわけですね。

 

ヨリエさんとレイコさんの記憶(ヨリエさんがレイコさんを怖がって思わず避けてしまい、レイコさんが一人でいる記憶)を、もんもんぼう(cv:小峠さん)の記憶を通してみた夏目としては、まあ複雑なところもあるんだろうななんて思っていたんですよ。

 

でも、切り絵を持ちながらレイコさんを語るヨリエさんのそのシーンで、夏目も少しはその悲しい気持ちも癒えたかしら、それがユウキくんとの仲直りにつながったとも言えるのかしら、なんていう風に思いました。

 

普通の人からの隔絶した気持ちを味わったレイコさんのかなしさを、

自分と同じように見えるものだと信じたら実はユウキくんは見えなかったことでより一層隔絶を味わった夏目自身のかなしさを、

どちらもきれいに回収していたように思いました。

 

 

今回の感想はこんなところでおしまいです。

まだ夏目のパンフレットを買っていないので、買ったらまた随時追記しようと思います。たくさん読んでくださってありがとうございました。

 

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