とるころーるの備忘録日記

なんかもうごちゃまぜ

モブサイコ100 Ⅱ 6〜7話 ホワイティー編 感想

 

いま7話を見てきた。ネタバレです。

 

いやーーーーー、、、泣いた。

 

モブのバックグラウンドは学校(肉改部とか)や家族(というか律)がいままで描かれてきていたけれど、師匠のバックグラウンドというのはいままで描かれてこなかった。

むしろ、描かれてこなかったからこそ、その発言に説得力があったのだとも言える。

 

背景がわからないから信じられる、というものはいろいろとある。例えばマジック。タネがわからないからこそ、すごいと思える。タネがわかってしまえば「なんだそういうことか、自分でもできそうじゃないか?」なんて思ってしまうこともあるかもしれない。

 

「わからない」ということ。それが信じることにつながるケースもあるのだ。

師匠の場合は明らかにこれだった。バックグラウンドがわからないから彼の言葉を信じられた。

 

師匠は実は、28歳独身で怪しい商売をやっていて、母親から「いい加減帰ってきなさいよ」なんてメールがきて、「まっとうな」職業のチラシなんか添付されていて、誕生日も自分から言わなければ誰も祝ってくれない、「師匠」でもなんでもない、ただのひとりぼっちの男なんだとわかる。

「弟子」だと思っていたモブすら自分を離れてしまい、離れても何とも思っていないような絶望。

 

これはなかなかきつい。マジックの種明かしをされたような気分だ。

別に種明かしをされていなくても、怪しい商売をやり、中学生を時給300円で雇い、しょうがないねぇとしか言いようがない状態なことは確かにわかっていた。それでもその言葉には説得力があった。

それがいざ種明かしをされ、バックグラウンドの「寂しさ」を出されると、辛かったんだなと、一人の男として見てしまう。

 

 

6話でモブにきつく当たっていた霊幻にはまだ意地があった。つまらないプライド。自分の方がモブよりも上なのだ、利用して「やって」いるのだ、という思い。

だけど、「何かになりたい」という自身の卒業文集の言葉を聞いて、結局モブを利用していただけ、モブの青春の足を引っ張っているのではないか、自分は能力あるモブに憧れていたのだと認める。

 

自分は何者にもなれなかったと、あの場で黙考してその結論にたどり着いたことは、どれだけ辛かっただろう。今までずっと上から話してきた、器用貧乏なだけの霊幻がそれを認めることは。

「成長したなあ」という言葉。もうお前は一人でいいんだという気持ちがこもっていたんだろうか。

 

ただね、私は思うんですが、霊幻がモブに離れられた後もへこたれずにHPを作り直したり、メディア露出したりと、あの生放送までは成功していたわけで、それは本当にすごいと思うんですよ。へこたれない力がある。

そして霊幻があの会見の場で、母の作った文面をそのまま読むのではなく(そもそもここの母の愛にも泣いた)、「なんで集まってんの?」と自分の言葉で、きちんと頭で考えたこと、やり過ごすんじゃなくて諦めずに何とかしようとしたことは、本当にすごいと思うんですよ。

 

彼は確かに器用貧乏なのかもしれないけど、その言葉には説得力があって、バックグラウンドがわかってもなお、やっぱりついていきたいと思えるようなカリスマ性はあるなって思うよ。私は。

 

最後、モブに俺の正体を知らないのか、と問い、「わかってますよ」と言うモブに、びくりとする霊幻。そこへ「いいやつだ」、もうーーーーーね、この言葉で泣いたよ。

 

確かに霊能力のあるモブが、霊幻に霊能力がないことくらい、わからないはずがない。でも、今までの徹底された霊幻への接し方で見ている側としても信じていた。彼は霊幻を信じているのだと。霊幻の正体を知っていてもなお、霊幻のもとに足繁く通っていたのは、霊幻が「いいやつ」だったから。利用されていることをわかっても全部飲み込んで霊幻と共にいたことが泣ける。

 

今までひとりぼっちであることがわからなかった霊幻が、実はひとりぼっちだったのだとわかり、モブも離れ、ついに本当にひとりになってしまったところに、もう一度モブは帰ってきてくれた。

 

今こそ、「利用する側とされる側」でもなんでもない、本当の「師匠と弟子」として、いや、1人の男と1人の男として、対等に話せるのだろう。

 

霊幻はもう、ひとりじゃない。

そのことが本当に救いになって、最高のラストでした。自分から言わなくたって、モブに誕生日を祝ってもらえてよかったね、おめでとう霊幻師匠。

 

引き続き、8話が楽しみです。