とるころーるの備忘録日記

なんかもうごちゃまぜ

PSYCHO-PASS SS Case.2 First Guardian 感想

以下ネタバレです。

 

相変わらず立川の音響で見てきた。最高。TOTTUAUND万歳。

 

やっぱり何を置いてもまず、とっつぁんが妻を訪れたシーンの言葉1つ1つが、響いた。泣いた。「息子に恨まれるのも父親の仕事だ。俺ももうゴールが見えてきたかな」で泣いた。

いやその「ゴール」とは違う意味だとわかっているけど、有本さんが2月1日に、人生の「ゴール」を迎えて、その直後に聴いてしまうと言葉が重なってしまって、泣けた。

 

病気を患う妻の前でも仕事の話をついしてしまう不器用な夫としての征陸。「伸元の幸せ」を願う父としての征陸。軍人の須郷が「ぶっ飛ぶ」くらいの伝説のデカとしての征陸。でもやっぱり1期のときに見た征陸の像は変わっていなかった。ああ、この人は夫であり、父であり、デカなんだ、と思った。

 

でも彼はよく昭和のカッコいい男のステレオタイプとして語られるような、「背中で語る」タイプの人ではない。「背中で語る」というより、「向かい合って待つ」ことのできる人だなと思った。自分を他人扱いする息子の伸元に対して、怒るでもなく、悲しむでもなく、ただ受け入れて、息子の雪解けを待っていた。気がする。違うかな。

 

本当は、生前にもっと伸元と語り合ってほしかったな。時に伸元が拗ねたり、怒ったり、そういうことがあったっていいから、伸元がもっと素直に、二人が言葉で分かりあっていてほしかった。デカとしての人生の話を訥々と言って聞かせるとっつぁんに、「能書き垂れやがって」とか悪態をついたっていいから、ブランデー片手に話し合うような、夜を明かすような、そういう父と息子であってほしかった。ということを今の宜野座が一番思っているのかなあ。

 

とっつぁんは、彼は、背中で語ると言うよりも、わりと言葉にしていると思う。須郷への言葉もそうだし。そして、硬派な、話しかけにくい、というよりは、柔和で、懐の深いイメージだから。それでも、息子や妻の危機を煽られれば、血相を変えて怒る人だ。そういうときに黙って権力者の前でやり過ごさない人だ。もう、死ぬほど、カッコよかった。言葉が見つからないけど、本当にカッコよかった。

 

「生きてりゃなんとかなる」という須郷への言葉は、もう征陸が生きていないことを知っている私にとってはつらいものがあった。希望のある言葉なのに。生きてはいないのだ、ということを改めて思い知らされたーーその直後の「捜査中、殉死」の文字で。

 

須郷は燐のことを友人として、同期として大事に思っていたのだと思う。でも、その燐の夫を、先輩を、仲間を、結果的に殺してしまった。あの絶望感はいかほどだろう。彼はアイヒマンにはなれなかった。ならなかった。命を軽く見ていなかった。だって仲間の命だから。敵の命を奪うという意味での実戦形式だということを、直前に大友に言われてハッとするような人だ。敵の命でさえそうなのに、味方の命ならどれだけだろう。

 

燐がビンタしたときは彼女はまだその真相を知らなかったはずだから、たぶん見捨てたという一点においてビンタをしたんだろう、と思う。

それがあの真相を知ってしまったら...彼を容疑者にしたのも復讐の1つなのかなと思った。結果的には殺しているから。でも、須郷に向かっての「あなたも軍人に向いていなかったのよ」というその言葉は、やっぱり、友人としての燐が意識された。

 

そういえばあのライフログの記されたロボット。あれは恐ろしいなと思った。死んでいることはわかっていても、あんな顔、あんな口調で話されたら、亡霊に語られているようでぞっとした。成仏しきれない亡霊の想起。オートメーションがほぼ完全に進んでいるあの世界とは全くそぐわないことを考えてしまったなと思った。

 

 

 

とまあ真面目に話すのはこの辺までで。

 

あとはやっぱりあれですね。「俺が知るか!」って吠えてる宜野座くんが可愛かったね。もうその可愛さに没入する暇もないほどとっつぁんの言葉の1つ1つがしんどかったけど。でも宜野座くんは可愛かったです。反抗期宜野座くんを見ていると、上記のような「あー分かりあっててほしかった」というしんどい思いもある一方で、「可愛いね〜吠えてる〜」と思う私もいる、みたいな。だめだこりゃ。

 

狡噛はその後の彼を思うとしんどさしかないんですが、狡噛と一緒にいる宜野座を見れるだけでよかったです眼福眼福。狡噛の戦闘シーンのカッコ良さがすごかった。

 

縢くんは存在だけでしんどいので何も言えない。ライフログのあのロボットが落ちてくるところを、縢くんからの狡噛で二段でぶっ叩くところカッコ良すぎじゃないですか?カッコ良すぎですね。というかもう全体的にアクションシーンが本当に本当に本当にカッコいい。まじで。

縢くんの、「コウちゃん」という、あの、文字では表現することのできない、濁音混じりの石田さんの緊迫感のある叫びが大変よかったです。

 

「私は一係をいつも一番に考えているよ」という朱ちゃんの頼もしさハンパない。

 

ところで、花城フレデリカさんを見た瞬間須郷さんが「はっ」としたのはなぜだろう?単に外務省だからなのかな?でもそれにしちゃ、彼女と面識がないはずなのに随分ハッとするのが早いような気がしなくもないけど...考えすぎだろうか。

 

あと思ったんですけど、今回局長が一言も話さなかったね。前回のCase.1において、局長が烏間から報告を受けているはずなのに、霜月を青森に向かわせるのは変だなと思っているんですがもしかして監督が言っていた伏線ってそれかな?

今回は国防省をすべて明かして潰さないために国防省の作戦監視官?だっけ?の背景を探ることなく殺したって青柳は言ってたけど、本当はあの監視官はシビュラシステムだったのでは?だってそうしないと、今回「Sinners of the System」なのに、Sinnersの一人はどこに...いたっけ...?局長が背景を探ることなく殺したのは、彼が実はシビュラシステムで、その不始末を消すためとか...違うかな笑 どうでしょう。

 

とにもかくにも、、素晴らしくもしんどく、そして重い時間でした。ありがとうございました。

そして有本欽隆さん、本当にお疲れ様でした。ご冥福をお祈り致します。

 

そしてまたCase.3を楽しみにしております!